新型コロナウイルスに関連すると思われる子供の炎症

New Inflammatory Condition in Children Probably Linked to Coronavirus, Study Finds

2020年5月13日

研究者はイタリアにおける10の症例を類似の症状の小児病である川崎病の症例と比較した。新型コロナウイルス関連性の子供の炎症は川崎病による炎症よりも発生率が高く、より重症化する傾向があった。

重症で死の危険もある子供の炎症に対する懸念の高まりを受けて、最新の研究により病気の特徴に光が当てられ、この症状が新型コロナウイルスと強い関連があることが示されている。

この症状はpediatric multisystem inflammatory syndrome(小児性多臓器炎症性症候群)と呼ばれ、Andrew M. Cuomo知事(クオモ知事)の今週の発表によるとニューヨーク州で100件の小児の症例が報告されており、3人が亡くなっているという。症例はルイジアナ州、ミシシッピ州、カリフォルニア州を含む他の州でも報告されており、アメリカ疾病管理予防センターは近く医師にこの症候群の症状のある子供の症例を報告するように警告を発するという。

フランス、スイス、スペイン、イギリスを含む欧州国家でも少なくとも50件の症例が報告されており、少なくとも1例がこの症候群によって死亡したとされている。

ランセットに水曜日に発表された最新の研究によると、イタリアの医師が10件の症例を同様の症状が現れる珍しい小児病である川崎病の症例と比較した。

論文の著者はベルガモ県で先進的な小児科があるPapa Giovanni XXIII Hospital(パパジョヴァンニXXIII病院)で、新型コロナウイルス流行以前の2015年1月から2020年2月中旬までに19件の川崎病の子供を治療した。

しかし、2月18日から4月20日の2ヶ月の間だけで、イタリアの新型コロナウイルス流行地域にあったパパジョヴァンニXXIII病院では、川崎病類似の過炎症症状を示す10人の子供が治療された。

2ヶ月で10件というのは3ヶ月に1件のペースだった川崎病の30倍の多さであり、特にこの時期の病院全体の入院数は平時よりも少なかったため、著者は新型コロナウイルスの感染爆発によるクラスター(群発)ではないかと述べている。

それでもやはり症例数は少なく、この川崎病類似の症候群が一般的に大人よりも新型コロナウイルス感染が重症化しにくい子供たちの間で広範囲に被害をもたらす可能性は高くはないだろうと著者は述べた。

10人の子供のうち死亡者はいないが、その症状は川崎病の子供たちの症状よりも重症だった。心臓合併症を起こす確率がより高く、5人に川崎病では見られなかったショック症状が見られた。Covid-19患者に典型的に見られるのと同様に、血小板とある種の白血球の減少が見られた。この新しい川崎病類似症候群の子供たちの治療には、川崎病の治療に用いられる免疫グロブリン療法に加えて、ステロイドによる治療が必要になるケースが多かった。

アメリカや他国の症例と同様に、イタリアの10件の症例の子供たちの年齢は乳幼児や未就学児に頻発する川崎病の患者の年齢よりも概して著しく高かった。川崎病患者の平均年齢は3歳であったが、今回の新しい症候群の患者は1名を除いて5歳以上であり、平均年齢は7歳半であった。

10人中8人の子供が新型コロナウイルスの抗体検査で陽性になった。研究者は、残りの2人が陰性になったのは検査の正確性が完璧ではないことを反映しており、さらにそのうち1人は高用量の免疫グロブリンによる治療を受けていたところで、検査の抗体を検知する能力に悪影響を及ぼしたのではないかと示唆している。

抗体を保持していることから、このイタリアの子供たちは多くのアメリカの症例と同様に、数週間前に新型コロナウイルスに感染していたことが示されている。専門家は、感染初期にウイルスが患者の肺の細胞を攻撃するのに対して、今回の新しい炎症性症候群はウイルス感染に対する子供の免疫反応によって引き起こされる遅延反応のようだと述べている。

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New Inflammatory Condition in Children Probably Linked to Coronavirus, Study Finds